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映画を観る際には、環境が重要である。同じ作品でも、家でDVDで観るのと、映画館の大画面で観るのとでは、まるで印象が変わってくる。今回はそんなお話。

 この秋、話題の劇場アニメ2トップといえば『劇場版マクロスF 虚空歌姫〜イツワリノウタヒメ〜』と『東のエデン劇場版? The King of Eden』。今月半ばに、この2作の試写が相次いで行われた。短い期間に2作品を続けて観て気づいたのは、この2作が意外に対照的な構造になっているということ。未見の方のために具体的な言及は避けるが、要は「映画」というもののどこにプライオリティーを置くかという解釈(あるいは哲学)が、明確に違っているように感じられたのだ。端的にいうと、『マクロスF』は「イベント」(河森正治監督の表現を借りれば「ライブ」)であり、『東のエデン』は「物語」である、というのが個人的にしっくり来る表現だろうか。このあたりは、みなさんもぜひ劇場で両作品を観賞して、確かめてみてほしい。

 ところで、これは偶然なのだが、僕が観た試写の環境自体も、この2作は大きく異なっていた。まず『マクロスF』は、河森監督をはじめスタッフ・関係者が仕上がりを確認するいわゆる零号試写を、イマジカの試写室で観ることができた。僕らの業界の人間には周知のことであるが、イマジカの試写室はシートもゆったりしていて快適だし、音響設備も整っていて、映画を観るには申し分のない環境である。特に音響は、歌と映像のシンクロによる快感で生理的に盛り上げていく『マクロス』のような作品を観るうえでは、不可欠の要素といっていい。これから『マクロス』を観る方には、なるべく音響設備の良い劇場で観ることをお勧めする。

 一方、『東のエデン』のほうは、一般のお客さんも招いて実際の上映館で開催された、完成披露試写に参加するという形であった。こちらの場合は、ファンのみなさんの醸し出す、期待感と緊張感がないまぜになったような独特の空気が会場を包んでいて、そのざわめきに僕らも少なからず気持ちを高められたという気がする。要するに、“不特定多数の同時体験”という映画の特質を、改めて実感させられることになったわけだ(当たり前っちゃ当たり前のことだが、サンプルDVDで映像作品を観ることに慣れた身には、意外と稀少な体験なのである)。

 よくいわれることであるが、映画は作品だけで語られるものではなく、作品を取り巻く環境すべてをひっくるめて、観客の記憶に刻まれるエンターテインメントである。そこのところを、2作品の試写を通じて再認識させられた。ということは、僕らも映画をより楽しみたいのであれば、なるべく良い劇場で大勢のお客さんと一緒に観るべきなのだ。『マクロスF』も『東のエデン』も、そういう環境で観てこそ本来の魅力を最大限に発揮できるのである。そんなわけだから、みなさん「DVDが出るまで待とう」的な悠長な考えは捨てて、出来るだけ劇場へ足を運んだほうがきっとお得ですよ。

 ちなみに、アニメージュ編集部では現在、『ロマンアルバム 劇場版マクロスF 虚空歌姫〜イツワリノウタヒメ〜』を鋭意制作中。担当の(治)は、取材の大詰めで日々奔走している。12月24日発売予定なので、乞うご期待!

(※当初12月18日発売を予定していましたが、ちょっとだけ延びました。そのぶん、他のムックでは見られない濃いネタを詰め込みますので、クリスマスイブはぜひ本屋さんへ!!)

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