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2010年は、昨年以上に劇場アニメが印象に残る年になりそうです。年初めから『秘密結社鷹の爪3』『劇場版 魔法少女リリカルなのは』『涼宮ハルヒの消失』などたて続けに公開され、今月中には邦画洋画あわせて20本以上の劇場アニメが公開され予定です。7月にはジブリアニメの最新作『借りぐらしのアリエッティ』が待機しているので、今から楽しみにしている人も多いでしょう。ジブリアニメといえば、必ず「アニメージュ」の表紙にもなっていますが、1991年は表紙の変遷史において異例の年となったのです。

 武田編集長体制となって2年目の1991年は高畑勲監督のジブリアニメ『おもひでぽろぽろ』が7月20日に劇場公開されました。『おもひでぽろぽろ』は27歳のOLが主人公で、「アニメージュ」の読者層とはギャップがあったのですが、編集部は誌面を駆使して全面的にバックアップしたのです。それは、表紙に大きく反映されました。

 1月号/『おもひでぽろぽろ』
 2月号/『魔神英雄伝ワタル2』
 3月号/『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』
 4月号/『機動戦士ガンダムF91』
 5月号/『ふしぎの海のナディア』
 6月号/『おもひでぽろぽろ』
 7月号/『おもひでぽろぽろ』
 8月号/『おもひでぽろぽろ』
 9月号/『おもひでぽろぽろ』
 10月号/『らんま1/2』
 11月号/『超時空要塞マクロスII』
 12月号/『紅の豚』

 『おもひでぽろぽろ』は、6月号から4ヵ月連続して表紙を飾りました。同一作品が4ヵ月連続というのは「アニメージュ」史上初です(ちなみに、2月号から4月号はサンライズ制作の作品が連続しています)。1月号と12月号と加えると、1年の半分はジブリ作品が表紙を占めたことになります。制作発表の記者会見レポートをまとめた1月号の巻頭特集を皮切りに、5月号からインタビュースタイルの[スタジオジブリの挑戦]を8月号まで連載するなど、公開中の9月号まで様々な特集記事が大きく組まれたのです。

 『おもひでぽろぽろ』と同じように編集部がバックアップしたのが、3月号の表紙になっている『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』〈1991年3月15日〜12月20日放映〉でした。のちに『機動戦士ガンダムSEED』を手がける福田己津夫監督のTVシリーズですが、新聞形式の連載企画[月刊サイバープレス]を、奇しくも[スタジオジブリの挑戦]と同じ5月号より開始しました。上井草ナナ子というキャラクターを記者になぞらえて、ストーリー展開やスタッフインタビューを掲載しました。

 ちなみに編集は、[まにあ小黒のコマ取り倶楽部]〈1989年4月号〜1991年2月号〉、[この人に話を聞きたい]〈1998年11月号〜〉で知られる小黒祐一郎が担当。その熱気あふれる記事内容は「アニメージュ」の読者に好まれ、見事に作品をバックアップし、『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』は、1992年の[アニメグランプリ]を受賞したのです。

<第32回 終>

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